第七交響曲

ダニエル・バレンボイム/ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団(2011)


CD(DECCA B0016872-02)全集

ベートーヴェン/交響曲全集
CD3
1.交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
 (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
2.交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」
CD4
1.交響曲第7番イ長調Op92
2.交響曲第8番ヘ長調Op93

  ダニエル・バレンボイム指揮
   ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団
  録音 2011年8月23〜28日
      ケルン・フィルハーモニー

 ダニエル・バレンボイムとウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団によるベートーヴェンの交響曲全集です。その中から5番から8番を紹介します。
 交響曲第5番「運命」の第1楽章は良いテンポで、フェルマータはたっぷり伸ばしています。厚い響きは見事なものです。ホルンのファンファーレは大変良い響きです。提示部の第2主題はきれいに響きます。展開部でも冒頭のフェルマータは長いです。弦楽の響きの良さ、管楽器との対話もきれいです。ホルンの響きも大変きれいです。オーボエのカデンツァも大変きれいです。再現部のファンファーレはファゴットにホルンが重なっています。それにしても素晴らしい演奏です。コーダまでの圧倒的な演奏も見事です。コーダ前のフェルマータも大変長いです。ティンパニは迫力があります。感動的な演奏です。第2楽章のアンダンテ・コン・モトはやや遅めのテンポで演奏しています。木管は大変良い響きを出しています。厚い響きの素晴らしさがあります。ティンパニも迫力ある響きです。第1変奏の美しい響き、そしてフルートの響きがきれいです。第2変奏の盛りあがりの美しさ、ファゴットとクラリネットのきれいな響き、そして木管四重奏の美しさは素晴らしいです。次のクライマックスも圧倒的な響きです。ティンパニのクレッシェンドが凄いです。第3変奏の木管の良い響き、続く厚い響きも聴きものです。第4変奏のファゴットが大変よい響きです。そしてコーダまでの全合奏が素晴らしい響きです。終結の演奏は素晴らしいです。第3楽章は序奏のリタルダンドとフェルマータの長さも聴きもの。ホルンの主題は迫力のある良い響きです。フーガにおける弦楽の厚みのある演奏は素晴しい響きです。ティンパニも低弦もよい響きです。フィナーレまでの経過部の緊張感も素晴らしいです。フィナーレは冒頭から重厚な響きが聴かれます。ホルンの響きも厚みがあります。展開部もよい響きです。トロンボーンが良い響きです。ティンパニも良い響きを出しています。第3楽章の回帰はクラリネットとオーボエのきれいな響きがあります。再現部は厚みのある演奏、そして圧倒的な響きが聴かれます。コーダは和音のあとのホルンの主題とピッコロの明るい響きがきれいです。プレストからの迫力は見事です。最後の和音はフェルマータをしっかり伸ばしています。ティンパニも良い響きです。これは素晴らしい演奏です。

 交響曲第6番「田園」は第1楽章の冒頭は程よいテンポで静かに始まり、オーボエの主題と共に全合奏になります。ホルン以外の金管と打楽器の入らないこの楽章はきれいな響きになります。ホルンがきれいに響きます。展開部は弦楽と木管によるフレーズの繰り返しがきれいです。弦楽と管楽器とのバランスも良く、美しい田園です。再現部からコーダは良い演奏です。ホルンやクラリネットが良い響きです。優雅に聞こえます。最後はゆったりと終わります。第2楽章の「小川のほとりの情景」は小川の流れを感じさせる弦楽の動きがきれいな響きです。まさに流れるようです。木管による主題も良い響きです。ファゴットの第2主題も小川の流れの良さを感じさせます。これもきれいです。木管楽器の美しい音色が素晴らしいです。弦楽の美しいことも素晴らしいです。フルートの美しい響きもいいです。コーダのフルート、オーボエ、クラリネットの小鳥の鳴き声はきれいです。大変素晴らしい演奏です。第3楽章のアレグロは快適なテンポの演奏です。ホルンの強い音がきれいです。オーボエ、クラリネット、ホルンと続くソロは流麗で素晴らしい演奏です。ホルンがきれいな響きです。リピートがありますので再度楽しめます。第4楽章の「嵐」は嵐の前の静けさから一気に嵐の大雨になる様子、ティンパニによる雷鳴と生々しい響きがあります。また大雨がきて、雲が流れていく様子など素晴らしい表現力で迫力があります。コーダの遠雷の表現が素晴らしいです。オーボエが大変きれいです。第5楽章の「嵐のあとの感謝の気持ち」はクラリネットに続いてホルンの楽しそうな歌で感じられます。きれいなホルンです。そして「牧人の歌」は喜びにあふれています。小鳥の鳴き声や角笛の音が響く素晴らしい演奏です。変奏曲もきれいな演奏です。コーダの演奏は感動的です。ホルンもきれいな響きです。名演です。

 交響曲第7番は第1楽章序奏はゆったりと始まります。重厚な響きとオーボエやホルンのやわらかな響きがきれいです。弦楽の上昇フレーズの連続はテンポアップできれいなものです。刻みのあざやかなこと、管楽器の美しさがあります。ティンパニも良い響きです。提示部のフルートも大変きれいです。全合奏におけるホルンの素晴らしい響きは聴きものです。弦楽の厚い響きも素晴らしいです。展開部の弦楽の厚みのある響き、管楽器の響きの良さは素晴らしいものです。再現部では迫力のある演奏が聴かれます。コーダの低弦のフレーズの響きの素晴らしさ、ホルンのハイトーンも良い響きです。第2楽章の「アレグレット」は弦楽の響きのよさ、対旋律の美しさがあります。バレンボイムの指揮は素晴らしいものです。弦楽の美しさは絶品です。管楽器が加わると感動的な全合奏になります。低弦の鮮やかな響きも素晴らしいです。ホルンのソロもきれいです。中間部の管楽器の演奏は素晴らしいです。コーダには感動的な強弱の響きもあります。最後は伸ばしてきれいに終わります。第3楽章の「プレスト」は軽快な演奏で勢いのある演奏です。管楽器は大活躍です。トリオはクラリネットとホルンがきれいに響きます。これは素晴らしい演奏です。全合奏も凄いです。ホルンが良い響きです。第2トリオもまた感動的な演奏です。ホルンやフルートが良い響きです。コーダは勢いがあって見事な終わり方でした。第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」は快速なテンポで重厚な響きが聴かれます。ホルンのハイトーンもきれいです。勢いのある演奏です。弦楽の厚みのある響きも素晴らしいです。ティンパニも良い響きです。展開部から再現部の素晴らしい演奏はバレンボイムらしいです。コーダの迫力は凄いです。ティンパニは大活躍です。これは見事な演奏でした。

 交響曲第8番は第1楽章の弦楽の華麗な響きが聴きものです。主題の美しい響きと歌い方もきれいなものです。木管のユニゾーンもきれいです。提示部のリピートがあります。展開部から再現部の厚い響きには圧倒されます。木管楽器の美しい響きも聴きものです。ティンパニも良い響きです。コーダはきれいに終わりました。見事です。第2楽章のスケルツァンドはメトロノームのようなリズムを刻むのが特徴です。快適なテンポで演奏しています。管楽器の響きの良さ、弦楽の緻密な演奏は素晴らしいものです。第3楽章のメヌエットは大変良い響きでファゴットの響きもきれいです。トランペットとホルンも良い響きです。トリオのホルンの二重奏の流麗な演奏とクラリネットの響きの美しさは大変素晴らしいです。このメヌエットの聴きどころです。第4楽章はアレグロ・ヴィヴァーチェは速いテンポで弦楽の刻みの素晴らしい響きと、管楽器の厚い響きが素晴らしい演奏です。中間部の圧倒的な演奏は見事なものです。ティンパニも良い響きです。コーダも素晴らしいです。この第8番も感動的で大変な名演奏です。


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