1950年代の演奏

ポール・パレー/モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団(1959)
CDR(Forgotten Records fr-2111) 

1.モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲
2.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
   第1楽章リピート:原典版
3.ブラームス/ヴァイオリンとチェロのための
      二重協奏曲イ短調Op102
4.R・シュトラウス/交響詩「ティル・オイレン
      シュピーゲルの愉快ないたずら」Op28

 アルテュール・グリュミオー(ヴァイオリン)(3)
 モーリス・ジャンドロン(チェロ)(3)
 ポール・パレー指揮
  モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団
  録音 1959年8月19日ライヴ(モノラル)
       (モナコ)

 ポール・パレー指揮モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団の演奏会です。モナコ公レーニエ3世とグレース・ケリー妃の臨席を賜った演奏会でした。
 モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」序曲は速めのテンポで勢いのある演奏です。祝典序曲のように華やかに演奏しています。
 ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」は冒頭が速めのテンポですが、フェルマータはたっぷり伸ばしています。ホルンのファンファーレは明るい響きがきれいです。展開部は弦楽と管楽器が良い響きです。オーボエのカデンツァはきれいです。再現部のファンファーレはファゴットで演奏しています。勢いのある演奏でコーダの運命の主題も長いフェルマータです。終結はきれいです。第2楽章は程良いテンポで弦が主題を歌っています。クライマックスでは低弦の強調、金管の強奏が見事な演奏です。第1変奏はなかなかの見事な響きです。気合を感じます。クライマックスも素晴らしい響きです。第2変奏も弦楽が素晴らしい響きです。クラリネットとファゴットも良い響きです。それからの盛りあがりも凄いです。木管四重奏は大変きれいな演奏です。第3変奏の木管もきれいな演奏です。第4変奏のファゴットも良い響きです。コーダの演奏も素晴らしいです。第3楽章は序奏のあとのホルンの主題の明るい響きが素晴らしいです。フーガに入ると弦楽の厚みのある演奏が素晴しいです。中間部の低弦の迫力ある演奏も素晴らしいです。コーダまでの経過部も見事な演奏です。ティンパニも良い響きです。フィナーレの重厚な演奏、木管とホルンもきれいな演奏です。見事な演奏の提示部です。そして展開部で響くトロンボーンはきれいです。第3楽章の回想はクラリネットとオーボエがきれいです。再現部の厚みのある演奏も素晴らしい。コーダのホルンの主題とピッコロの響きは見事な演奏です。プレストから終結までの圧倒的な演奏は素晴らしいです。最後のフェルマータはたっぷり伸ばしています。拍手喝采です。
 ブラームスのヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲はグリュミオーのヴァイオリンとジャンドロンのチェロによる演奏です。第1楽章冒頭から迫力のある演奏です。二人の気合の入った演奏は凄いです。オーケストラもよい響きです。第2楽章も豪華な響きです。第3楽章も勢いがあります。見事な演奏です。
 リヒャルト・シュトラウスの交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」は名曲です。やや速めのテンポで演奏しています。ホルンのソロはきれいな響きです。クラリネットもよい響きです。やがて盛り上がってきます。弦楽のきれいな響きもあります。ヴァイオリンのソロもあります。後半のホルンのソロもきれいな響きです。それから終結までは見事な演奏です。クラリネットや金管も良い響きです。


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