1950年代の演奏

イーゴリ・マルケヴィッチ/コンセール・ラムルー管弦楽団(1959)

CD1(PHILIPS UCCP3396)
CD2(THEOREMA TH121219)

CD1
1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
       (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
2.   〃   /交響曲第8番ヘ長調Op93
3.L・モーツァルト/おもちゃの交響曲
 イーゴリ・マルケヴィッチ指揮
  コンセール・ラムルー管弦楽団(1&2)
  モスクワ音楽児童アンサンブル(3)
  録音 1959年12月(1&2)
      1964年(3)
CD2
1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
        (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
2.    〃   /序曲「コリオラン」Op62
3.    〃   /序曲「レオノーレ」第3番Op72b
4.    〃   /歌劇「フィデリオ」序曲Op72c
5.    〃   /序曲「献堂式」Op124

 イーゴリ・マルケヴィッチ指揮
   コンセール・ラムルー管弦楽団
   録音 1959年12月

 CD1はマルケヴィッチの「運命」と第8番、そしてモスクワで録音した「おもちゃの交響曲」です。
 交響曲第5番「運命」は速めのテンポの演奏ですが冒頭の主題はしっかり強調しています。ホルンのファンファーレはフランスのホルン独特の明るさがあります。展開部からの気迫に満ちた演奏は素晴らしく、その中にあって明るい響きのホルンが印象的です。再現部のファゴットのファンファーレはホルンで吹いていました。第2楽章の明るい響き、第3楽章のホルンの主題はシューリヒトのパリ音楽院同様明るい響きがきれいです。フィナーレの厚みのある演奏も見事です。終結の圧倒的な響きは素晴らしい。
 交響曲第8番は冒頭から重い響きの演奏です。厚みがありこの曲のイメージを覆すような響きがあります。第3楽章は速めのテンポのメヌエットです。トリオのホルンは大変明るい響きのホルンで、ピストン・ホルンの独特の響きです。トリオはテンポを落としています。
 「おもちゃの交響曲」は児童アンサンブルの演奏ですが、大変良い演奏です。おもちゃの多さにびっくりです。また第2楽章では遠近効果を狙った録音が面白いです。 
 CD2の4つの序曲はどの曲も素晴らしい演奏です。その中で今では聞かれなくなった明るい響きのホルンが「レオノーレ」や「フィデリオ」で聞かれるのがたまりません。


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