1940年代の演奏

レオポルド・ストコフスキー/全米ユース・オーケストラ(1940)
CD(MUSIC&ARTS CD−857)

1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
 6:17/10:59/5:25/7:54(30分35秒)
2.ブラームス/交響曲第1番ハ短調Op68

  レオポルド・ストコフスキー指揮
   全米ユース・オーケストラ
   録音 1940年11月14日(1)
       1941年7月8日(2) 

 このアルバムはストコフスキーが戦前に全米ユース・オーケストラを指揮した録音です。ブラームスは4番も録音がありました。
 ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」はストコフスキー節炸裂とまではいかないものの、第1楽章冒頭の主題をザンザンザンザーンとゆったり演奏しています。提示部のリピートはありません。再現部のファゴットのファンファーレはホルンが高らかに吹いています。またコーダ最後の2つの和音は音をずらしてアルペッジョのようにズシャン、ズシャンとやっています。
 第2楽章はゆったりとしたテンポで演奏しています。ポルタメントを使う演奏も時代を感じます。特徴的なのはコーダ最後の和音で八分音符にフェルマータをつけて長く伸ばしています。第3楽章も面白く、低弦の強調はさすがにストコフスキーです。第4楽章の演奏では力強い響きが聞かれます。
 ブラームスの交響曲第1番の重厚な響きもすばらしいものです。第2楽章コーダのヴァイオリン・ソロはポルタメントをかけたきれいな演奏です。ホルンも素晴らしい音です。フィナーレの序奏は緊張感あふれる演奏でテンポの変化について行くオーケストラは凄いです。そして響くホルンの主題が見事で、フルートの見事な演奏も聞き逃せないでしょう。


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