1930年代の演奏

オットー・クレンペラー/ロスアンジェルス・フィルハーモニック(1934)
CD(archiphon ARC−114/15)

ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
     7:26/9:40/5:00/9:54
   (第1楽章、第4楽章リピート:原典版)

 オットー・クレンペラー指揮
   ロスアンジェルス・フィルハーモニック
 録音 1934年1月1日 パサデナ・ライヴ

 クレンペラーの初めての運命です。ロス郊外のパサデナでの演奏会の録音で、アセテート盤に録音したものの復刻です。ノイズが目立ちますが、気迫に満ちた演奏が聞こえてきます。
 交響曲第5番はクレンペラーとしては速いテンポの演奏です。第1楽章の第2主題のポルタメントはこの時代の流行でした。再現部でファンファーレをファゴットに吹かせています。これはクレンペラーが晩年まで原典版を通した証拠として貴重です。
 第2楽章も見事にコントロールしています。第3楽章は序奏を切れ目なく一気に演奏しています。
 第4楽章は提示部をここでもきちんとリピートしています。この演奏が凄いのはコーダです。フルトヴェングラーのように猛スピードでプレストを演奏しています。晩年の演奏からは予想もつかない激しい燃焼があります。聴くものをうならせる名演です。


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