1930年代の演奏

サー・ヘンリー・ウッド/クイーンズ・ホール管弦楽団(1935)
CD(DUTTON 2CDAX2002)2枚組
               
ベスト・オブ・サー・ヘンリー・ウッド
CD1
1.バッハ/ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調より
2.ハイドン/交響曲第45番嬰ヘ短調「告別」
3.シューベルト/交響曲第8番ロ短調「未完成」
4.リトルフ/交響的協奏曲第4番〜スケルツォ
5.ラフマニノフ/前奏曲嬰ハ短調(ヘンリー・ウッド編)
6.ドヴォルザーク/交響的変奏曲〜リハーサル風景
CD2
7.ブルックナー/序曲ト短調
8.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
      6:18/9:04/5:10/8:35
     (リピート無し:ワインガルトナー版)
9.ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲Op56a
10.ドヴォルザーク/交響的変奏曲Op78

  イレーネ・シャーラー(ピアノ)(4)
  サー・ヘンリー・ウッド指揮
   ブリティッシュ交響楽団(1)
   ロンドン交響楽団(2、3&4)
   シンフォニー・オーケストラ(5)
   クイーンズ・ホール管弦楽団(6〜10)
    1932年6月16日録音(1)
    1934年4月19日録音(2)
    1933年10月30日録音(3&4)
    1930年6月12日録音(5)
    1937年4月1日録音(6&10)
    1937年4月2日録音(7)
    1935年5月3日録音(8)
    1935年4月29&30日録音(9)

 イギリスの大指揮者サー・ヘンリー・ウッドの伝説的な録音集です。デッカとコロンビアの録音をまとめたもので、SPの最良の復刻で素晴らしい演奏を聴けるようになりました。1曲目のブランデンブルク協奏曲第3番は1楽章と3楽章のみですが、大変見事な弦楽アンサンブルです。ハイドンの「告別」は速めのテンポでぐいぐい進む名演です。シューベルトの交響曲第8番「未完成」は当時のロンドン響の技量の高さがわかる見事な名演。ラフマニノフの前奏曲はヘンリー・ウッドの編曲でストコフスキーの編曲とはまた違う響きが聞き物。
 クイーンズ・ホール管弦楽団の演奏はいずれも素晴らしく、ブルックナーの序曲はいまでも演奏が少ない曲ながら習作期の作品を見事にまとめあげています。これはおそらく世界初録音でしょう。
 ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」は大変見事な演奏でした。オーケストラの力量がわかります。特にホルンは素晴らしくオーブリー・ブレインの音かもしれません。このSP録音はデッカ・スタジオで録音されています。重厚な響きの第1楽章、歌う第2楽章、堂々とした重厚な響きの第4楽章と見事な演奏を繰り広げています。
 ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」は現在もなおたくさん演奏される名曲ですが、大変きれいな演奏です。
 ドヴォルザークの交響的変奏曲はリハーサル音源まで収録された貴重な演奏です。この名曲の素晴らしさを教えてくれる名演です。


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