2000年代の演奏

ウラディミール・アシュケナージ/NHK交響楽団(2004)
CD(EXTON OVCL-00201)

1.ベートーヴェン/交響曲第4番変ロ長調Op60
2.   〃   /交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
        (第1楽章、第4楽章リピート:原典版)

  ウラディミール・アシュケナージ指揮
     NHK交響楽団
  録音 2004年10月9&10日
      NHKホール・ライヴ

 アシュケナージの第2代音楽監督就任記念演奏会のライヴ録音です。アシュケナージは80年代にフィルハーモニアと「運命」、第7番を録音しておりその演奏の完成度の高さはよく知られています。
 N響との交響曲第4番は透明感のある響きを引き出した素晴らしい演奏です。第1楽章の第2主題では装飾音を短く演奏しています。第2楽章の冒頭では弦楽のふんわりとした響きが印象的です。
 交響曲第5番「運命」第1楽章の速いテンポの演奏は緊張感のある演奏です。切れ味の良い演奏です。展開部のスタッカート気味に音を切ってすすむところは印象的です。再現部では弦のsf(スフォルツァンド)をはっきり演奏しています。第2楽章の程よいテンポ、弦楽の美しさ、低弦の強調、木管四重奏の美しい響きは素晴らしいものです。第3楽章の流麗な演奏、フーガの凄まじい響きには圧倒されます。フィナーレの重厚な響きは特筆ものでしょう。提示部のリピートがあります。第3楽章の回想から再現部の盛り上がり、低弦の厚みのある響きは抜群です。コーダのホルンの主題、ピッコロの響きも素晴らしいです。382小節から385小節のヴァイオリンとヴィオラのりズムの刻みもよく聞こえています。終結までの圧倒的な響きは素晴らしい。


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