2000年代の演奏

ブルーノ・ヴァイル/ターフェルムジーク管弦楽団(2004)
CD(ANALEKTA AN2 9831)

1.ベートーヴェン/交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」
2.    〃   /交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
    (6:43/8:46/4:46/10:35)
  (第1楽章、第4楽章リピート:ベーレンライター版)

  ブルーノ・ヴァイル指揮
    ターフェルムジーク管弦楽団
    録音 2004年10月17〜19日

 カナダのターフェルムジーク(バロック)管弦楽団のベートーヴェンです。ピリオド楽器による演奏で、古楽器の音が渋いですが、なんともいえない魅力があります。ベーレンライター版を使用しているようでテンポは速いです。
 交響曲第6番「田園」は淡々とした演奏ながらも「田園」の雰囲気が十分伝わってきます。第2楽章コーダのフルート(フラウトトラヴェルソ)が味のある響きです。コンロッドのナチュラルホルンはきれいな響きを出しています。
 交響曲第5番「運命」はピリオド楽器独特の響きで始まります。テンポは速いです。ホルンのファンファーレは強く荒々しく響いています。それにしても聴いているのが楽しくなる演奏です。展開部のエネルギッシュな演奏、オーボエのカデンツァのチャーミングな響き、ホルンの金属的な音もたまりません。第2楽章も速いテンポのアンダンテです。淡々と演奏しています。木管四重奏で響く、バロックオーボエとフラウトトラヴェルソの響きが魅力的です。第3楽章も速いテンポの演奏です。ホルンの主題が力強く、閉止音の響きも聞こえてきます。フーガの演奏も見事。フィナーレのご機嫌な演奏はハ長調の響きを十分楽しめるでしょう。2本のホルンがよく響いています。提示部のリピートがあります。展開部の盛り上がり、第3楽章の回帰、再現部と良い響きになっています。コーダのホルンの主題はナチュラルホルンのきれいな音が響きます。そしてプレストから終結への圧倒的な演奏は凄いです。良い演奏でした。


トップへ
戻る
前へ
次へ