2000年代の演奏

小林 研一郎/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(2010)
CD(EXTON  OVCL-00440)

1.ベートーヴェン/交響曲第2番二長調Op36
2.   〃   /交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
 (第1楽章&第4楽章リピート:ワインガルトナー版)

  小林 研一郎指揮
    チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
  録音 2010年4月29&30日(1)
      2010年11月18&19日(2)
     プラハ/ドヴォルザーク・ホール

 小林研一郎とチェコ・フィルハーモニーによるベートーヴェン・チクルスの1枚です。チェコ・フィルの「運命」は1989年のノイマン以来です。
 交響曲第2番の演奏はチェコ・フィルの重厚な響きを引き出した演奏です。特に第1楽章はチェコ・フィル独特の響きがあります。第2楽章の美しい演奏はさすがです。第3楽章のホルンのスタッカートはチェコ・フィルのホルンの響きそのものです。フィナーレは弦と管のバランスのよさが素晴らしい。
 交響曲第5番「運命」は20世紀のベートーヴェンを踏襲する重厚な演奏です。第1楽章は演奏時間8分03秒の堂々とした演奏で、再現部のファゴットのファンファーレをホルンで吹いています。オールドファンが喜びそうな演奏です。(スコアがノイマンの時と同じ) 第2楽章のゆったりとした演奏はまさに巨匠時代のものです。管楽器の美しい響きをたっぷり聞かせてくれます。 第3楽章ではホルンの主題の明るい響きが素晴らしい。フーガの厚みのある演奏には圧倒されます。フィナーレの重厚な響きはチェコ・フィルらしさ溢れるものでしょう。提示部のリピートがあります。第2主題と低弦による運命の動機が印象的です。コーダの和音のあとに演奏されるホルンの美しさとピッコロの上昇音の響きの良さは聞き物です。最後のフェルマータの前に間を置くところは感動的です。  


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