2000年代の演奏
アンドレア・バッティストーニ/東京フィルハーモニー交響楽団(2019) |
|
|
CD(DENON COCQ-85466)
1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
(第1楽章&第4楽章リピート:原典版)
2.吉松隆/サクソフォン協奏曲
「サイバーバード」Op59
アンドレア・バッティストーニ指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
上野耕平(サクソフォン)(2)
山中惇史(ピアノ)(2)
石若 駿(パーカッション)(2)
録音 2019年4月8&9日
東京オペラシティ・コンサートホール
アンドレア・バッティストーニ指揮東京フィルハーモニー交響楽団による演奏です。
ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」は速いテンポで始まる第1楽章は重厚で素晴らしい響きです。フェルマータは短めですが、厚い響きには感動します。ホルンのファンファーレは良い響きです。第2主題の流れはきれいです。展開部は管楽器と弦楽の響きの良さが素晴らしいです。オーボエのカデンツァが大変綺麗です。再現部のファンファーレはファゴットが吹いています。コーダへの経過部の響きは厚みがあります。ホルンの和音が素晴らしい。コーダには緊張感があり終結も良い響きです。第2楽章は程よいテンポで歌う主題がきれいです。全合奏の厚い響きも素晴らしいです。第1変奏の弦楽とクラリネットの演奏がきれいです。また木管も大変きれいで金管とのバランスもよく良い響きを出しています。第2変奏もよい響きです。バッティストーニが引き出す響きは見事なものです。木管四重奏はバランスの良いきれいな演奏です。その後の厚い響きも素晴らしいです。第3変奏もきれいに演奏しています。第4変奏のファゴットのきれいな響きは素晴らしいです。コーダもよい響きです。第3楽章は序奏のあとのホルンの主題が大変きれいです。フーガは弦楽の鮮やかな演奏が素晴らしい。また低弦の素晴らしい響きは特筆ものです。フィナーレまでの緊張感は素晴らしいです。フィナーレは冒頭から重厚な響きが素晴らしく、ホルンと木管の主題も厚みがあります。提示部のリピートがあります。展開部で木管楽器が大変きれいに響きます。特にフルートは目立ちます。経過部の厚い響きもまた素晴らしい。第3楽章の回想も大変きれいです。再現部は素晴らしい盛り上がりをみせます。コーダの和音の連続はテンポアップして、ホルンの主題もきれいです。ピッコロは良い響きを出しています。プレストから終結まではテンポアップしています。これは圧倒的な演奏で見事です。最後のフェルマータの前に一瞬の間を置いています。ティンパニの一打もあって感動的な演奏でした。
吉松隆のサクソフォン協奏曲「サイバーバード」は鳥の歌です。1994年に初演されています。第1楽章「彩の鳥」、第2楽章「悲の鳥」、第3楽章「風の鳥」となっています。上野耕平のサクソフォンと山中惇史のピアノによる演奏です。第1楽章の素早く、華麗な演奏は鳥が飛んでいるようです。後半にはノクターン風の優雅な主題も歌われます。そして速めのテンポになります。第2楽章はエレジー風で哀愁的な主題がサクソフォンで歌われます。悲しみの鳥たちのようです。第3楽章は「風の鳥」です。風のように飛び回る鳥を歌うようです。金管の響きは森を感じられます。突然響くパーカッションは雷鳴が轟くようにも聞こえます。この演奏は素晴らしいです。フルートでなくとも鳥の表現ができるようです。 |
|
|
|